政令指定都市では、県の手数料は使えない

飲食店営業許可は政令指定都市が県とは別に許可を出す。県と市の両方の額を確認できた市のうち、いくつかは県と額が違った。市内に店を出すなら県の数字は当てにできない。

額が1種類だった制度が4件ある一方で、飲食店営業許可は14通りに分かれる

当サイトが掲載している許認可のうち4件は、額を確認できた都道府県のすべてで同じ額でした。建設業許可は47県すべてが90,000円、古物商許可は42県すべてが19,000円、産業廃棄物収集運搬業許可は47県すべてが81,000円、宅地建物取引業免許は47県すべてが33,000円です。これは各県の公表資料を1件ずつ確認した結果で、法令で全国一律と定められていることまでは確かめていないので、そう書いていません。

飲食店営業許可だけが違います。47県のうち額を確認できたのは46県で、その額は14通りに分かれていました。ここまでは県別ページを横に並べれば見えます。見えないのはこの先で、県の中に、県とは別の額を定めている市があります。飲食店営業の許可を出すのは県だけではなく、政令指定都市では市の保健所が許可を出し、手数料も市が別に定めているためです。

県と市の両方の額を確認できた19市のうち、7市で額が違った

当サイトは政令指定都市を、県の一部ではなく県と並ぶ自治体として扱い、市の資料から別に額を集めています。県と市の両方に額が入っている19市を突き合わせると、12市は県と同額で、7市は県と違う額でした。違っていたのは次の市です。

市 県との差 市の額 県の額
札幌市 −3,000円 17,500円 20,500円(北海道)
仙台市 −300円 19,000円 19,300円(宮城県)
横浜市 +2,000円 18,000円 16,000円(神奈川県)
名古屋市 −2,000円 16,000円 18,000円(愛知県)
京都市 +1,330円 19,200円 17,870円(京都府)
岡山市 −1,600円 17,000円 18,600円(岡山県)
福岡市 +600円 16,600円 16,000円(福岡県)

向きは一定ではありません。額が違った7市のうち、両方の額が数字と「円」だけで書かれていて差を出せた7市では、市のほうが安いものが4市、高いものが3市です。差の大きさも300円から3,000円までばらついています。「政令市は高い」とも「安い」とも言えません。同額だった12市があるので、「市は必ず違う」とも言えません。市ごとに見るしかない、というのがこの表の意味です。

差が生まれる時期にも手がかりがあります。次の2件では、県側の額がいつからのものかが、当サイトが県の資料から書き写した備考に残っていました。

県の額と市の額は別々に決まるので、県が改定した時点で差が開くことがあります。改定前の額まで備考に残っている県では、市の額と並べると差がいつ生まれたのかまで読めます。

政令指定都市が複数ある4県のうち、2県は市によって違う

県の中で市がひとまとまりになっているわけでもありません。同じ県に政令指定都市が2つ以上ある4県を見ると、2県は、同じ県内で県と同額の市と違う額の市が混在しています。

つまり「県の額」で代表させることも、「政令市の額」でまとめることもできません。額が分かれる単位は、県でも市の種類でもなく、その市そのものです。

県の資料にある「市は別」の扱い。当サイトが載せているのは政令指定都市まで

県の側もこれを隠していません。額が違う市を持つ県の備考・窓口欄から、市の扱いに触れている部分を引きます。文は当サイトが県の資料から転記した備考で、出典のURLと確認日を付けています。

神奈川県 政令指定都市・保健所設置市が所管する区域は市の条例により額が異なるため要確認。
出典 / 確認日 2026-08-20
愛知県 名古屋市(各保健センター)と中核市の豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市は各市が所管し、県の額の対象外。
出典 / 確認日 2026-08-20
岡山県 岡山市・倉敷市は保健所設置市のため各市の条例による。
出典 / 確認日 2026-08-20
福岡県 福岡市・北九州市・久留米市は各市の条例による別額。
出典 / 確認日 2026-08-20

ここで名前が挙がっている市には、政令指定都市ではないものが混ざっています。中核市や保健所設置市も、自分の保健所で飲食店営業の許可を出し、市の条例で手数料を定めています。当サイトが個別のページを持っているのは政令指定都市までで、それ以外の市の額は載せていません。該当する市に店を出す場合は、その市の窓口か市の手数料の一覧で額を確認してください。当サイトのその県のページに出ている額は、県が所管する区域のものです。

県の側にも穴があります。飲食店営業許可の額は47県のうち46県ぶんしか確認できておらず、残りは一覧表で「要確認」のままです。県の額が空欄の県では、市の額との突き合わせもできないので、上の19市の比較からも外れています。

これが申請者にとって何を意味するか

政令指定都市に店を出すなら、県のページの額は使えない
県の案内で額を調べて用意すると、7市では過不足が出ます。差は最大3,000円です。しかも、県より高い市も安い市もあるので、どちら側に外れるかも決まっていません。上の表の市名から、その市のページに移れます。
市の名前で検索して出てきた額を、県の額と取り違えない
飲食店営業の手数料は、県の額と市の額が同じ名前の制度で並んで存在します。どちらの自治体が出した額なのかを、出典のURLで確かめてください。当サイトは県の値と市の値を分けて集め、それぞれに出典と確認日を付けています。
複数の店舗をまたぐ案件では、県ごとと市ごとの二段で確認する
飲食店営業許可は、そもそも額が県ごとに14通りに分かれます。その上で市が別の額を持つので、「前の案件と同じ額」が成り立つ範囲はかなり狭いです。行政書士が複数県・複数市の案件を持つ場合、確認は県の数ではなく申請先の自治体の数だけ必要です。
額は改定される。確認日を見る
県と市は別々に改定します。当サイトの値はすべて確認日つきの転記で、いま載っているものは2026-08-20から2026-10-10までに確認したものです。申請の前には、必ず出典元の最新の案内を見てください。

県の額と政令指定都市の額は、制度ごとの一覧ページに別の表として並べています。

この記事の数字について
  • 各自治体の公表資料から当サイトが写したデータを数えたものです。
  • 対象は飲食店営業許可の都道府県のデータ47件と政令指定都市のデータです。県と市の額を突き合わせたのは、両方に額が入っている19市です(どちらかが空欄の市は入れていません)。県の額を確認できているのは46県です。
  • 19市のうち、県と同額だったのが12市、違う額だったのが7市です。差の金額は、違う額だった7市のうち、両方の額が数字と「円」だけで書かれている7市で計算しました。
  • 中核市・保健所設置市の額は当サイトに載せていないため、数えていません。
  • 引用は、当サイトが県・市の資料から書き写した備考・窓口の欄からで、それぞれに出典のURLと確認日を付けています。
ご利用にあたって
手数料は県と市がそれぞれ改定します。申請の際は必ず出典元の最新情報をご確認ください(免責事項)。個別のご相談には応じられません。