低圧電気取扱業務の特別教育

正式名: 低圧の充電電路の敷設若しくは修理の業務等に係る特別教育(低圧電気取扱業務特別教育)

直流750V以下・交流600V以下の低圧で、電気が通ったままの電路を敷設・修理する作業(電気自動車等の整備は別の特別教育)や、配電盤室・変電室など区画内で充電部分がむき出しの低圧開閉器を操作する作業に必要な特別教育です。対地電圧50V以下や、電信用・電話用など感電の危害のおそれのないものは除きます。

持っている資格や経験によって、8時間まで短くなります。通常は14時間ですが、法令が2区分の受講パターンを定めています。下の表で自分がどれに当たるかを確認してください。

受講時間の早見表

いちばん上が通常コースで、下にいくほど免除で短くなります。外部の講習会の「◯時間コース」も、この区分に沿って組まれています。時間は法令が定める下限です。

対象 合計 学科 実技 根拠
通常(敷設・修理)低圧の充電電路の敷設又は修理の業務に就かせる労働者。受講資格の制限は無い。 14時間以上 7時間以上 7時間以上 規程第6条第2項・第3項(学科は基礎知識1時間/電気設備2時間/安全作業用具1時間/活線作業の方法2時間/関係法令1時間)
開閉器の操作の業務のみを行う者 −6時間配電盤室・変電室など区画された場所にある低圧の電路のうち、充電部分がむき出しの開閉器の操作だけを行う人
条文の言い方配電盤室・変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器の操作の業務のみを行う者。
8時間以上 7時間以上 1時間以上 規程第6条第3項の括弧書き
免除される科目の内訳(条文の言い方)1件

免許・講習の修了・経験などで、どの科目が免除されるかの内訳です。上の早見表の短いコースのうち、ここに載っている区分の分です。

該当する人 免除される科目 根拠
当該科目について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者 当該科目の特別教育(学科・実技の全部又は一部) 労働安全衛生規則第37条

調査メモ

低圧電気取扱業務の特別教育を調べてわかったこと

低圧電気取扱業務の特別教育は、労働者をこの業務に就かせる事業者に実施の義務がある教育です。基本は学科7時間以上・実技7時間以上で、開閉器の操作の業務のみを行う人は実技が1時間以上です。

開閉器の操作だけなら実技1時間以上、合計8時間以上

安全衛生特別教育規程第6条は、学科を5科目7時間以上としています(低圧の電気の基礎知識1時間、電気設備2時間、安全作業用具1時間、活線作業・活線近接作業の方法2時間、関係法令1時間)。

実技は活線作業・活線近接作業の方法について7時間以上ですが、配電盤室・変電室など区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器の操作の業務のみを行う人は1時間以上です。短くなるのは実技だけで、学科7時間はどちらも同じです。電路の敷設や修理もさせる人は「操作のみ」に当たらないので、実技7時間以上が必要です。

時間はいずれも最低時間です。

直流750V・交流600Vを超えると、高圧・特別高圧の別の特別教育

労働安全衛生規則(安衛則)第36条第4号は、低圧を直流750V以下・交流600V以下、それを超え7000V以下を高圧、7000V超を特別高圧と定めています。高圧・特別高圧の充電電路の業務は規程第5条の別の特別教育で、学科11時間以上・実技15時間以上(充電電路の操作の業務のみを行う者は1時間以上)です。

対象の業務も違い、低圧は充電電路の敷設・修理と区画された場所の開閉器の操作ですが、高圧・特別高圧は充電電路とその支持物の敷設・点検・修理・操作です。低圧でも対地電圧50V以下のものや、電信用・電話用などで感電による危害を生ずるおそれのないものは対象外です。

電気自動車等の整備は別の特別教育(学科6時間以上・実技1時間以上)

対地電圧が50Vを超える蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務は、安衛則第36条第4号の2として分けられ、低圧の敷設・修理の業務から除かれています。教育内容は規程第6条の2にあり、学科5科目6時間以上(電気装置の基礎知識2.5時間など)と実技1時間以上です。第6条の2は令和元年の告示で追加されました。

同じ事業場でも、この自動車の整備と、それ以外の低圧の充電電路の敷設・修理とでは、必要な特別教育が別になります。

法定の修了証は無く、事業者が受講記録を3年間保存する

特別教育は労働安全衛生法第59条第3項に基づく事業者の義務です。安衛則第38条により、事業者は受講者・科目等の記録を作って3年間保存します。安衛則にも規程にも特別教育の修了証の定めは無く、外部の講習で渡される修了証は法定のものではありません。有効期限や更新の定めもありません。

安衛則第37条で省略できるのは、その科目について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者の、その科目だけです。通達(昭和47年基発第601号の1)は、労働災害防止団体等が第39条その他の省令で定める要件を満たす講習を行い、受講したことが明らかな者を第37条に当たるものとして扱ってよいとしています。

教育をせずに業務に就かせると、安衛法第119条第1号で6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

この講習のきまり

区分 特別教育
対象業務 低圧(直流750V以下・交流600V以下)の充電電路の敷設若しくは修理の業務(安衛則第36条第4号の2の電気自動車等の整備の業務を除く)、又は配電盤室・変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務。対地電圧50V以下のもの等は除く。
根拠 労働安全衛生法第59条第3項/労働安全衛生規則第36条第4号/同規則第39条
科目・時間の根拠 安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)第6条
修了証特別教育に法定の修了証は無い。事業者は受講者・科目等の記録を作成し3年間保存する義務がある(安衛則第38条)。実施機関が発行する修了証は任意のもので、法令上の有効期限・更新の定めは無い。
無資格で就かせた場合特別教育を行わずに当該業務に就かせると安衛法第59条第3項違反となり、同法第119条第1号により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。法人・事業主にも第122条の両罰規定で罰金刑が科される。

そのほかの注意

特別教育は事業者が行う教育です(労働安全衛生法第59条第3項)。外部機関に委託することもできますが、その機関は労働局の登録を受ける必要がありません。自社で実施する場合も、受講者・科目等の記録を3年間保存します(労働安全衛生規則第38条)。

他の特別教育

出典
安全衛生特別教育規程(厚生労働省 法令等データベース)
確認日
2026-08-21
受講料について
受講料は載せていません。特別教育は事業者が行う教育で、自社で行うことも外部の講習会に頼むこともできます。外部の講習会の受講料は各主催者が決めていて、官公庁の一次情報がありません。
ご利用にあたって
法令は改正されます。受講の際は必ず出典元の最新情報と、実施機関の案内をご確認ください(免責事項)。個別のご相談には応じられません。