「申請書は何部出すのか」に、1つの数で答えられない

建設業許可の提出部数を47県ぶん集めた。数えて分布を出そうとしたが、県の書き方は1つの数に揃えられるように書かれていなかった。読み間違えた例も含めて、何が起きているかを示す。

47県すべてが部数を公表している

建設業許可について、申請書を何部出すのかを47件の公表資料から集めました。対象は47都道府県で、部数に触れていない県はありませんでした。審査にかかる日数のように公表していない県がある項目とは違い、ここは全県が書いています。

書いてあるなら数えられるはずだと考えて、正本と副本を足した合計部数で分布を出そうとしました。これが失敗しました。

数えようとして、47件のうち6件を読み間違えた

当サイトは最初、県の文面から部数を読み取って足す仕組みで数えました。「正本1部、副本2部」なら3部、「計3部」も3部、という数え方です。それらしい分布は出ましたが、1件ずつ資料と突き合わせて分かったのは、読み間違えていても、それらしい数字が出てしまうということでした。間違えていたのは次の県です。

宮城県
文中の「計2通」を提出部数だと取り違えていました。その「計2通」は確認書類をどこに添付するかの話で、提出そのものは正本1通と写し2通です。
石川県・福井県
「写」「控」という呼び名の書類を副本として数えられていませんでした。どちらも実際は3通です。
岐阜県
資料に「法定書類3部」と書いてあるのに、括弧の中の副本を1部と読んで2部にしていました。副本が2種類(返却用と閲覧用)並んでいたためです。
福岡県・三重県
そもそも答えが1つではない県です(申請先や書類の種類で部数が変わる)。1つの数にしてはいけないのに、1つの数にしていました。

読み取りの決まりを足せば、この6件は直ります。ただし、県の書き方が少し変わればまた外れます。そして外れても数字は出るので、載せたあとに気づく手立てがありません。当サイトは出典のないことを書かない方針なので、存在しない分布を載せるくらいなら集計をやめるほうが正しいと判断しました。いまは県の文面をそのまま出しています。

1つの数にならない理由は、4通りに分かれる

読み間違いは当サイトの落ち度ですが、その原因は県の書き方にあります。「何部ですか」という問いに1つの数で答えていない県があるということです。どうなっているかを実際の文面で示します。

申請先によって違う

同じ県内でも、どの事務所に出すかで部数が変わる。県の資料は両方を併記している。

福岡県
  • 主要県土整備事務所: 正本1通・副本1通
  • 一般県土整備事務所: 正本1通・副本2通
  • 副本はコピー可
資料の書き方 知事許可 正本1通、副本1通(主要県土整備事務所提出分)/正本1通、副本2通(一般県土整備事務所提出分)。副本はコピーでも可。
出典(確認日 2026-09-17)
北海道
  • 正本1部・副本2部(うち1部は申請者控え。副本は受付印を押して返却)
  • 石狩振興局は正本1部・副本1部
資料の書き方
  • 正本1部・副本2部(石狩振興局は正本・副本各1部)副本は、受付印を押印後返却します。
  • (北海道庁ページの表現)「【北海道知事許可】正本1部、副本2部(うち1部は申請者控え)の計3部 ※石狩振興局に申請する方は、正本1部、副本1部の計2部」
出典(確認日 2026-09-17)

書類の種類によって違う

閲覧される書類とされない書類、法定書類と確認資料で、それぞれ別の部数が決まっている。

三重県
  • 閲覧対象の書類(許可申請書〜様式20号の3): 正本1通・副本2通
  • 閲覧対象外の書類(様式7号〜納税証明書): 正本1通・副本1通
  • 確認資料: 1通
資料の書き方 【提出部数】①建設業許可申請書類(閲覧対象)許可申請書から様式20号の3まで(P43) 正本1通・副本2通/②建設業許可申請書類(閲覧対象外)様式7号から納税証明書まで(P44~45) 正本1通・副本1通/③確認資料(閲覧対象外)1通
出典(確認日 2026-09-17)
岐阜県
  • 法定書類3部(正本1部、申請者返却用副本1部、閲覧用副本1部)
  • 確認資料1部
資料の書き方 法定書類3部(正本1部+申請者返却用副本1部+閲覧用副本1部)+確認資料1部
出典(確認日 2026-09-17)

正本・副本という数え方をしない

「写」「控」のように副本とは別の呼び名の書類が加わる。あるいは部数が申請者の都合で決まる。

石川県 正本・副本・写 各1通(石川県知事許可)
資料の書き方 正本:1通 副本:1通 写 :1通(石川県知事許可)
出典(確認日 2026-09-17)
福井県 正本・副本・控 各1部(福井県知事許可)
資料の書き方 ・福井県知事許可 正本1部、副本1部、控1部
出典(確認日 2026-09-17)
秋田県
  • 正本・副本各1部
  • 申請者の控えが必要なら、必要部数の控えも
資料の書き方 正本・副本各1部ずつ+申請者の控えが必要な場合は、必要部数の控え
出典(確認日 2026-09-17)

減った経緯まで書いてある

部数は固定ではない。減らした県があり、いつ減ったかを書いている。

栃木県
  • 正本1部・副本1部
  • 副本は令和5年10月に2部から1部に変更
資料の書き方 正本:1部 副本:1部(令和5年10月より、副本の部数が2部から1部に変更)
出典(確認日 2026-09-17)

古物商では27件の記載だった

同じことを古物商許可で見ると、部数に触れているのは47県のうち27件でした。建設業と違い、全県が書いているわけではありません。申請先が警察署で、案内の作りが知事部局とは別系統になっているためだと見ています(古物商だけ審査日数の公表が少ないのは、知事部局の一覧に載らないから)。

これが申請者にとって何を意味するか

他県の部数をそのまま当てにできない
部数は全国で決まっているものではありません。自分が出す県の資料を見る以外にありません。
同じ県でも、出す先で変わることがある
福岡県のように、どの事務所に出すかで部数が違う県があります。県の名前で調べて終わりにせず、管轄の事務所まで確認する必要があります。
部数は変わる
栃木県は副本の部数を2部から1部に変えています。当サイトが載せているのは2026-08-20から2026-10-10までに確認した内容です。申請の前には必ず出典元の最新の案内を見てください。

各県の文面は、許認可ごとのページに「申請の出し方」として載せています。

この記事の数字について
  • 各都道府県の公表資料から当サイトが写したデータを数えたものです。
  • 対象は、提出部数が公表資料に書かれていた建設業許可47件・古物商許可27件です。
  • 部数を1つの数にして集計することはしていません。本文のとおり、県の書き方が1つの数にそろわないためです。
  • 引用は各県の公表資料の表現のままです。出典のURLと確認日は表の中にあります。
ご利用にあたって
提出部数は変更されます。申請の際は必ず出典元の最新情報をご確認ください(免責事項)。個別のご相談には応じられません。